【2026年敬老の日】高齢化率29.6%の日本で考えたい健康と栄養|家族の食事を見直す5つのポイント
2026年9月21日
最近、ご自身やご家族の食事に変化はありませんか?
「以前より食べる量が少なくなった」
「肉や魚を食べる機会が減った」
「体重が少しずつ減っている」
「食事の準備が面倒になってきた」
ご自身やご家族に、このような変化はありませんか?
年齢を重ねると、食欲や身体の状態、生活環境が変化することがあります。以前と同じ食事を続けていても、必要な栄養を十分に摂取できているとは限りません。
2026年9月21日は敬老の日です。
長年にわたり社会や家族を支えてこられた皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
今年の敬老の日を迎えるにあたり、総務省は日本の高齢者人口に関する新しい統計を公表しました。
65歳以上の人口は3,624万人。総人口に占める割合は29.6%となり、過去最高を更新しています。
日本人の約3.4人に1人が65歳以上となった今、高齢者の健康づくりは、特定の世代だけの課題ではありません。
ご自身の将来を考えるうえでも、ご家族の健康を支えるうえでも、栄養について知ることが大切です。
今回は、敬老の日をきっかけに、高齢期の食事と健康について一緒に考えてみましょう。
2026年の高齢化率は29.6%|高齢者の健康づくりが身近な課題に
総務省統計局が2026年9月20日に公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、9月15日現在の65歳以上人口は3,624万人となりました。
前年より2万人増加し、総人口に占める割合は29.6%。高齢化率は比較可能な1950年以降で最も高い水準となっています。
また、2025年の65歳以上の就業者数は943万人で、過去最多を更新しました。
高齢期を迎えても仕事を続ける方、趣味や運動を楽しむ方、地域活動に参加する方など、暮らし方はさまざまです。
一方で、身体機能の変化や病気によって、生活に支援が必要になる方もいらっしゃいます。
同じ年齢であっても、身体の状態や必要な健康支援は一人ひとり異なります。
だからこそ、これからの健康づくりでは「高齢者だからこの食事」という一律の考え方ではなく、その人の身体や生活に合った栄養管理が重要になります。
まず確認したい|高齢期の食生活を見直す5つのチェックポイント
高齢者の健康を考えるとき、栄養素の量を計算する前に確認したいことがあります。
それは、毎日の食事や生活に変化が生じていないかということです。
次の5つの項目について、ご自身やご家族の最近の様子を振り返ってみてください。
チェック1.以前より食事量が減っていませんか?
以前は完食していた食事を残すようになったり、朝食や昼食を簡単に済ませることが増えたりしていませんか?
食事量が減少すると、身体に必要なエネルギーや栄養素を十分に確保できなくなる可能性があります。
特に、食事量の減少が長期間続いている場合には、体重や身体機能の変化にも注意が必要です。
チェック2.肉・魚・卵・大豆製品を食べていますか?
食事の内容が、ごはんやパン、麺類などの主食に偏っていませんか?
肉、魚、卵、大豆製品、牛乳・乳製品などは、たんぱく質を含む食品です。
たんぱく質は骨格筋をはじめとする身体組織の維持に必要であり、高齢期にも重要な栄養素です。
毎食の食品構成を振り返り、たんぱく質を含む食品が取り入れられているか確認してみましょう。
チェック3.意図せず体重が減っていませんか?
減量を目的としていないにもかかわらず、以前より体重が減っている場合には注意が必要です。
高齢期の体重減少には、食事量の不足、疾病、筋肉量の減少など、さまざまな要因が関係する場合があります。
体重の変化は、日々の栄養状態を振り返るための手がかりの一つです。
チェック4.噛みにくさや飲み込みにくさはありませんか?
肉が硬くて食べにくい、食事中にむせる、飲み込むのに時間がかかるといった変化はありませんか?
噛む力や飲み込む力が変化すると、食べられる食品の種類や量が減ることがあります。
必要な栄養を摂取するためには、食品の栄養価だけでなく、食べやすさも大切です。
チェック5.食事を楽しめていますか?
食事の準備が負担になったり、一人で食べる機会が増えたりしていませんか?
食事は栄養を補給するだけでなく、生活の楽しみや人との交流にもつながる時間です。
食欲や食事量の変化を考える際には、生活環境にも目を向けてみましょう。
これらの項目は、病気や低栄養を診断するためのチェックリストではありません。
ただし、気になる変化が続いている場合には、医師や管理栄養士などの専門職へ相談するきっかけにしてください。
高齢者の健康管理では「食べすぎ」だけでなく「食べられているか」が大切
健康的な食生活というと、食べすぎや体重増加を防ぐことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、生活習慣病の予防や管理は、高齢期においても重要です。
しかし、年齢を重ねるにつれて、食事量の減少や体重減少にも注意が必要になります。
厚生労働省の「令和5年国民健康・栄養調査」では、65歳以上の低栄養傾向のある人の割合は、男性12.2%、女性22.4%と報告されています。
この調査では、BMIが20以下の人を「低栄養傾向」としています。
女性では約5人に1人が該当する計算です。
ただし、BMIが20以下というだけで、個人の低栄養が診断されるわけではありません。体重の変化や食事摂取量、疾病の有無なども含めた評価が必要です。
「健康のために食べる量を減らす」という考え方が、必ずしもすべての年代や身体状態に適しているとは限りません。
高齢期には、必要な栄養をしっかり確保することも健康管理の重要な視点になります。
高齢者の目標BMIは21.5〜24.9|体重を減らすことだけが健康ではない
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の目標とするBMIの範囲を21.5〜24.9としています。
BMIは、体重(kg)を身長(m)の2乗で割って求める指標です。
例えば、身長160cmの方であれば、BMI21.5に相当する体重は約55kgです。
ただし、目標BMIは、すべての方が一律に目指すべき体重を示したものではありません。
高齢期には、生活習慣病の予防と低栄養・フレイルの予防の両方を考える必要があります。
体重が増えている方と、意図せず体重が減っている方では、必要な食事管理も異なります。
大切なのは、年齢や体重の数字だけで判断するのではなく、身体の状態や生活に合わせて考えることです。
フレイルとは?栄養不足が身体機能の低下に関わる理由
高齢者の健康づくりで知っておきたい言葉の一つが「フレイル」です。
フレイルとは、加齢に伴って心身の機能や予備能力が低下し、健康障害が生じやすくなった状態を指します。
身体的な変化だけでなく、心理的・社会的な側面も含まれます。
例えば、食事量が減少すると、必要なエネルギーや栄養素が不足する場合があります。
栄養不足が続けば、筋肉量や筋力の維持が難しくなり、身体を動かすことが負担になる可能性があります。
活動量が減少すると、さらに食欲が低下することも考えられます。
こうした悪循環を防ぐためには、栄養と運動の両方が重要です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、高齢者の低栄養予防は、フレイル予防や健康寿命の延伸という観点から重要であると説明されています。
高齢期の食事を整えるために|今日から考えたい3つの栄養ポイント
ここまで、高齢者の食事量や体重、身体機能の変化について紹介しました。
では、毎日の食生活では何を意識すればよいのでしょうか。
大切なのは、特定の食品だけに注目するのではなく、食事全体を考えることです。
1.主食を含めて、必要なエネルギーを確保する
ごはん、パン、麺類、いも類などは、デンプンを多く含む食品です。
デンプンは消化・吸収された後、主にグルコースとして身体のエネルギー源に利用されます。
高齢期に食事量が減少している場合には、主食を過度に制限することで、必要なエネルギーを確保しにくくなる可能性があります。
特に、意図しない体重減少がみられる場合には、食事全体のエネルギー摂取量を確認することが重要です。
糖尿病などの疾病がある方は、主治医や管理栄養士の指示に合わせて食事を調整してください。
2.たんぱく質を含む食品を食事に組み合わせる
たんぱく質は、骨格筋をはじめとする身体組織を構成する栄養素です。
例えば、朝食がパンだけの場合には、卵やヨーグルトを組み合わせる。
昼食がうどんだけの場合には、卵や豆腐を加える。
こうした工夫によって、食事から摂取できる栄養素の種類を増やすことができます。
ただし、必要なたんぱく質量は、年齢、身体の状態、疾病などによって異なります。
慢性腎臓病などで食事制限が必要な場合には、専門職による個別の判断が重要です。
3.食べやすさと生活環境を考える
どれだけ栄養価の高い食品でも、食べることが難しければ、十分な栄養摂取にはつながりません。
噛みにくさがある場合には、食材の大きさや調理方法を工夫する必要があるかもしれません。
買い物や調理が負担になっている場合には、調理済み食品や配食サービスなどの活用も選択肢になります。
食事中のむせや飲み込みにくさが続く場合は、医療機関などで評価を受けることが大切です。
栄養管理では「何を食べるべきか」と同じくらい、「どうすれば無理なく食べ続けられるか」を考える必要があります。
高齢者の栄養管理は、一人ひとりの生活に合わせて考える時代へ
ここまで紹介した内容から分かるように、高齢者の健康づくりは、特定の栄養素を摂取するだけで完結するものではありません。
同じ80歳であっても、毎日運動している方と、病気の影響で活動量が低下している方では、身体の状態や必要な支援が異なります。
また、食事の好み、家族構成、調理環境、口腔機能なども一人ひとり異なります。
だからこそ、栄養学の知識をそのまま当てはめるのではなく、その人の身体や生活に合わせて活用することが重要です。
日本栄養コンシェルジュ協会では、栄養学・医学・生理学などの科学的知見を基盤に、身体、食事、生活、運動、環境、社会を総合的に捉えることを大切にしています。
「何を食べればよいか」という問いに答えるためには、まず「その人に何が必要なのか」を理解する必要があります。
科学的な知識を、日常生活の中で実践できる形へ変えていく。
それが、栄養コンシェルジュ®が大切にしている栄養教育です。
栄養コンシェルジュ®講座で学ぶ|自分と大切な人の健康を支える栄養学
ご自身やご家族の健康を考えたとき、インターネットやSNSで栄養情報を調べた経験はありませんか?
「高齢者にはたんぱく質が大切」
「健康のためには糖質を減らした方がよい」
「体重は軽い方が健康によい」
さまざまな情報がある中で、どの情報を、誰に、どのように活用すればよいのか迷うこともあると思います。
栄養コンシェルジュ®講座では、栄養素の働きや身体の仕組みを体系的に学び、目的に応じた食品選択や栄養提案へとつなげていきます。
単に健康情報を知るのではなく、その情報を理解し、考え、生活の中で活用できる力を育てることを目指しています。
栄養コンシェルジュ®1ッ星コース|食品と身体の関係を基礎から学ぶ
1ッ星コースでは、栄養素の機能、消化・吸収、エネルギー代謝、食品分類など、栄養学の基礎を体系的に学びます。
独自の食品カテゴリーマップ®を活用しながら、食品の特徴を整理し、目的に合わせた食品選択を考えていきます。
例えば、高齢者の食事量が減少している場合、どの食品からエネルギーやたんぱく質を確保できるのかを考える際にも、食品分類の知識が役立ちます。
ご自身やご家族の健康管理に栄養学を活かしたい方にも、基礎から学んでいただける内容です。
栄養コンシェルジュ®2ッ星コース|身体の状態を理解し、個別性のある栄養提案へ
2ッ星コースでは、細胞内代謝、肝臓や骨格筋の代謝、血液検査データの読み解きなど、より専門的な内容を学びます。
身体の中で栄養素がどのように利用されているのかを理解し、身体の状態や目的に応じた栄養プランニングへと学びを深めます。
管理栄養士・栄養士の学び直しはもちろん、医療・介護、スポーツ、健康、美容、教育など、人の健康に関わるさまざまな分野で活用できる学びを目指しています。
※栄養コンシェルジュ®講座の受講・資格取得によって、医療上の診断や治療を行う資格が付与されるものではありません。必要に応じて医療・介護などの専門職と連携することを大切にしています。
まとめ|2026年の敬老の日を、これからの健康を考えるきっかけに
2026年、日本の高齢化率は29.6%となり、過去最高を更新しました。
高齢者の健康づくりでは、生活習慣病の予防だけでなく、低栄養やフレイルを防ぎ、身体機能を維持することも重要です。
そのためには、必要なエネルギーやたんぱく質を確保するとともに、食欲、体重、口腔機能、身体活動、生活環境などを総合的に考える必要があります。
大切なのは、年齢だけで食事を決めることではなく、その人がこれからどのような生活を送りたいのかを考えることです。
ご自身の健康のために。
ご家族の健康を支えるために。
そして、栄養学を誰かのために役立てるために。
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一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会は、科学的な知識を人々の生活で活用できる知恵へと変え、一人ひとりの健康と未来を支える栄養教育を届けています。
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「栄養で人と未来を輝かせる」を理念に、科学的・医学的根拠に基づいた栄養知識の普及と、現場で活用できる実践的スキルを持つ人材の育成に取り組むヘルスケア教育機関です。 また、医療・運動・心理・生活科学など多分野の知見を統合し、本質的な健康支援を実現するための「栄養哲学」の研究にも取り組んでいます。 認定資格「栄養コンシェルジュ®」は、医療従事者やアスリートなど多分野の専門家が監修した信頼性の高い栄養学資格で、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムを提供しています。 さらに資格取得後も、最新の研究情報の共有や学習機会の提供を通じて継続的な学びを支援し、資格取得者の生涯学習と専門性向上をサポートしています。
よくあるご質問(FAQ)
Q1.2026年の敬老の日はいつですか?高齢化率は何%ですか?
2026年の敬老の日は9月21日(月)です。総務省が公表した9月15日現在の推計では、日本の65歳以上人口は3,624万人、高齢化率は29.6%となりました。高齢化率は比較可能な1950年以降で過去最高です。敬老の日は、長年社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝う国民の祝日です。
Q2.高齢の家族が以前より食べなくなった場合、何を確認すればよいですか?
まずは食事量が減った時期、体重の変化、食欲、噛みにくさや飲み込みにくさの有無を確認しましょう。病気や服薬、買い物・調理の負担などが関係する場合もあります。食べる量が減った原因によって必要な対応は異なるため、変化が続く場合は医師や管理栄養士などの専門職に相談することが大切です。
Q3.高齢者は健康のために体重を減らした方がよいのでしょうか?
高齢者の体重管理では、減量だけを目標にしないことが重要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の目標BMIを21.5〜24.9としています。ただし、適切な体重管理は疾病、筋肉量、身体機能などによって異なります。意図しない体重減少がある場合は、低栄養にも注意が必要です。
Q4.高齢者の筋力低下を防ぐには、たんぱく質を増やすだけで十分ですか?
たんぱく質は筋肉の維持に必要ですが、それだけで十分とは限りません。食事全体から必要なエネルギーを確保し、身体の状態に応じた運動を組み合わせることが大切です。食事量が少ない方では、主食を含めた食事全体の見直しも必要になります。疾病によって栄養管理に制限がある場合は、専門職の指示を優先してください。
Q5.高齢者の低栄養予防では、食品の栄養価以外に何を考える必要がありますか?
栄養価の高い食品でも、本人が食べられなければ十分な栄養摂取にはつながりません。噛む力、飲み込む力、食欲、食事の準備や買い物の負担なども確認する必要があります。高齢者の栄養管理では「何を食べるか」に加え、「なぜ食べられないのか」「どうすれば食べ続けられるか」を考えることが重要です。
Q6.栄養コンシェルジュ®では、健康情報を自分で判断する力を身につけられますか?
栄養コンシェルジュ®講座では、栄養素の機能や消化・吸収、エネルギー代謝など、身体と栄養の関係を体系的に学びます。食品や栄養素の情報を暗記するだけでなく、その情報が身体の中でどのような意味を持つのかを理解し、目的に応じた食品選択へ活用する力を育てることを目指しています。
Q7.栄養コンシェルジュ®の食品カテゴリーマップ®には、どのような特徴がありますか?
食品カテゴリーマップ®は、食品の栄養学的な特徴を整理し、目的に応じた食品選択を考えるために、日本栄養コンシェルジュ協会が開発・普及するツールです。食品を一律に「良い・悪い」と評価するのではなく、身体の状態や活動量、健康上の目的に合わせて選ぶ考え方を学びます。日常の食事を分かりやすく説明する際にも活用できます。
Q8.栄養コンシェルジュ®と管理栄養士・栄養士の資格は何が違いますか?
管理栄養士・栄養士は、法令に基づく国家資格・免許制度のもとで定められた専門職です。一方、栄養コンシェルジュ®は、日本栄養コンシェルジュ協会が養成する民間資格です。栄養学や身体の代謝を学び、食品選択や栄養コンサルティングへの応用を目指します。取得によって管理栄養士・栄養士の免許や医療行為の権限が得られるものではありません。
Q9.栄養コンシェルジュ®の1ッ星と2ッ星は、どのように学びが発展しますか?
1ッ星コースでは、栄養素の働き、消化・吸収、エネルギー代謝、食品カテゴリーマップ®などを学び、食品選択の基礎を身につけます。2ッ星コースでは、細胞内代謝や血液検査データの読み解きなどへ学習範囲を広げ、身体の状態や目的に応じた栄養プランニングを考えます。基礎知識から個別性のある提案へと段階的に学べる構成です。
Q10.栄養コンシェルジュ®は、家族の健康管理を学びたい一般の人でも受講できますか?
はい。栄養コンシェルジュ®講座は、管理栄養士や運動指導者などの専門職だけでなく、ご自身やご家族の健康のために栄養学を学びたい方も対象としています。1ッ星コースでは、身体の仕組みや食品の特徴を基礎から学べます。学んだ知識を毎日の食事に活かしたい方にも、栄養学を学ぶ機会を提供しています。

