栄養コンシェルジュ新着情報:コンビニおにぎり値下げへ|コメ価格の変化から考える「お米・主食・糖質」の栄養学

2026年8月25日

「コンビニのおにぎり、高くなったな」と感じていた方にとって、気になるニュースが入ってきました。



2026年、コメを取り巻く価格環境が変化するなか、大手コンビニでおにぎりの価格を見直す動きが出ています。



ローソンは、2026年9月29日から全国の店舗で「手巻おにぎり」全品を原則10円値下げすると発表しました。背景には米の市場価格低下があり、価格改定を通じて「お米の消費拡大」にもつなげたいとしています。



一方、ファミリーマートやセブン‐イレブンでも、一部のおにぎり・おむすび商品の価格を見直す動きが出ています。



身近な「おにぎり」の価格が下がるのは、消費者にとってうれしいニュースです。



しかし、栄養コンシェルジュ®の新着情報として、もう一歩先まで考えてみたいと思います。



そもそも、お米は私たちの身体にとってどのような食品なのでしょうか。



そして、「お米は太る」「糖質は控えた方がいい」といった情報を目にすることも多いなか、私たちは主食とどのように付き合えばよいのでしょうか。



今回はコンビニおにぎりの値下げという身近なニュースから、お米・主食・糖質、そして食品を自分で選択するための栄養学について考えます。



コンビニおにぎりの価格が動き始めた



ローソンは2026年8月24日、米の市場価格が低下していることを受け、9月29日からエリア限定商品を含む「手巻おにぎり」全品を、商品の仕様を変更せず原則10円値下げすると発表しました。



例えば「シーチキン®マヨネーズ」は税込181円から171円、「熟成紀州南高梅」は194円から184円、「炙り熟成紅鮭」は221円から211円となります。



近年は、原材料費や物流費などの上昇を背景として、おにぎりも価格改定が続いてきました。そのため、日常的に購入する人ほど「以前より高くなった」と感じていたかもしれません。



今回の動きの背景にあるのが、コメを取り巻く市場環境の変化です。



農林水産省では、米の相対取引価格だけでなく、小売価格、販売数量、民間在庫、需給状況などを継続的に公表しています。



食品の価格はコメの仕入れ価格だけで決まるものではなく、人件費や物流費など多くの要因から成り立っています。そのため、今回の動きから「これから食品全体が安くなる」とまでは言えません。



ただ、毎日の食生活に欠かせない「お米」に改めて注目が集まる機会になっていることは確かです。



値下げだけではない。「お米の消費」にも注目



今回のローソンの発表には、もう一つ注目したい言葉があります。



それが、「お米の消費拡大」です。



同社が公表した資料によると、1人1か月当たりの精米消費量は2025年度平均で4,435gとなり、前年比6.1%減少しています。



2026年4~6月には回復傾向もみられていますが、長期的に見れば、日本人の米消費量はかつてと比べて大きく減少してきました。



ここで、「日本人なのだから、もっとお米を食べるべき」と単純に結論づける必要はありません。



一方で、糖質制限やダイエット情報が広がるなかで、



「お米は太るから食べない」



「夜は主食を抜いている」



「糖質はできるだけ少ない方がいい」



といった考え方を耳にすることもあります。



では、栄養学ではお米をどのように考えるのでしょうか。



お米は食品カテゴリーマップ®の「カテゴリー1」



一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会が開発・普及する食品カテゴリーマップ®では、世の中にある多くの食品を、栄養学的な特徴から7つのカテゴリーに整理しています。



お米やごはんは、「カテゴリー1」に分類されます。



カテゴリー1には、ごはんだけでなく、パン、麺類、いも類など、デンプンを主成分とする食品が含まれます。



ここで大切なのは、「お米=カテゴリー1」と暗記することではありません。



なぜその食品がカテゴリー1なのか。食べた後に身体の中でどのように消化・吸収され、どのように利用されるのか。



そこまで理解することで、カテゴリーという分類が実際の食品選択につながっていきます。



食品カテゴリーマップ®は、食べ物に「良い」「悪い」という評価をつけるためのものではありません。



食品の特徴を理解し、自分の身体や目的に合わせて選択する。



そのために食品を分かりやすく整理することが、食品カテゴリーマップ®の役割です。



「炭水化物=すべてエネルギー」ではない



ここは、お米の栄養を理解するときに大切なポイントです。



お米には炭水化物が多く含まれますが、厳密には「炭水化物がそのまますべて身体のエネルギーになる」わけではありません。



炭水化物は、大きく糖質と食物繊維に分けて考えることができます。



そのうち、主に消化・吸収される糖質が、身体を動かすためのエネルギー源として利用されます。



一方、食物繊維には糖質とは異なる生理的な役割があります。



お米に多く含まれるデンプンは糖質の一種です。デンプンは消化の過程で分解され、最終的に単糖として吸収され、身体のさまざまな組織で利用されます。



この違いを理解しておくと、「炭水化物だから太る」「糖質は身体に悪い」といった単純な情報から一歩進んで、身体の仕組みから食事を考えられるようになります。



主食はなぜ大切?「抜く」より先に考えたいこと



ごはん、パン、麺類などは、私たちが「主食」として日常的に食べている食品です。



では、なぜ主食を食べるのでしょうか。



カテゴリー1に含まれる食品はデンプンを多く含み、そこから得られる糖質は身体活動を支えるエネルギー源として利用されます。



日常生活はもちろん、仕事をする、歩く、運動する、スポーツをするといった場面でもエネルギーが必要です。



特に運動時には糖質の利用が重要となり、体内ではグリコーゲンとして肝臓や筋肉などに蓄えられています。



だからといって、「主食は多ければ多いほどよい」という意味でもありません。



必要量は、年齢、体格、身体活動量、運動量、食事全体、身体づくりや減量などの目的によって変わります。



つまり重要なのは、「主食を食べるか、食べないか」だけではなく、「自分には何を、どのくらい必要とするのか」を考えることです。



「お米は太る」は本当?



お米の話をすると、よく出てくるのが「お米は太るのでは?」という疑問です。



結論からいえば、「お米を食べた」という一つの事実だけで、肥満になるとは判断できません。



体重や体脂肪の変化には、食事全体からのエネルギー摂取、身体活動によるエネルギー消費、食事量、生活習慣など複数の要因が関係します。



例えば、同じおにぎりでも、運動量の多い人が活動に必要な食事として食べる場合と、すでに必要なエネルギーを十分摂取している人が追加して食べる場合では、食事の位置づけが違います。



さらに、おにぎりには梅、昆布、鮭、明太子、ツナマヨネーズなど多くの種類があります。



ごはんの量も違えば、具材によって含まれるたんぱく質や脂質、食塩相当量なども変わります。



「おにぎりは太るか?」ではなく、「誰が、いつ、どのくらい、何と組み合わせて食べるのか?」まで考える。



これが、実際の生活で栄養学を使うということです。



コンビニでも栄養学は実践できる



「健康のためには自炊しなければならない」



そう考えて、コンビニ食に罪悪感を持っている方もいるかもしれません。



しかし、忙しい現代の生活では、毎食自炊できるとは限りません。



仕事の昼休みにコンビニを利用する。移動中におにぎりを食べる。帰宅が遅くなり、コンビニで夕食を購入する。



こうした生活を否定するのではなく、その環境の中でより適切な食品を選べるようにすることも栄養学の役割です。



例えば、おにぎりでカテゴリー1の食品を選んだなら、それ以外にどのような食品を組み合わせるのか。



おにぎりだけで食事を終えるのではなく、肉、魚、卵、大豆製品などを使った食品や、野菜、海藻、きのこ類などを組み合わせることで、摂取できる栄養素の種類も広がります。



大切なのは「コンビニだからダメ」ではありません。



コンビニでも、スーパーでも、外食でも、自分の目的に合わせて選べること。



その力があれば、栄養学は教科書の中だけではなく、毎日の生活で使える知識になります。



おにぎりの10円値下げから「食べる」を考えてみる



おにぎりが10円安くなる。



一見すると、それだけのニュースかもしれません。



しかし、その背景を見ていくと、コメの価格、生産、在庫、物流、消費、そして私たちの食生活までつながっています。



さらに栄養学の視点を加えれば、



「なぜお米を主食として食べるのか」



「デンプンとは何か」



「炭水化物と糖質はどう違うのか」



「お米は本当に太るのか」



「自分にはどのくらい必要なのか」



と、身近なニュースから多くの学びを広げることができます。



栄養学は、特別な食品だけを扱う学問ではありません。



今日コンビニで手に取る、一つのおにぎりから始められる学問です。



栄養情報を「知る」から、自分で「選べる」へ



インターネットや生成AIの普及によって、食品のカロリーや糖質量、栄養成分は誰でも簡単に調べられる時代になりました。



しかし、情報を検索できることと、その情報を正しく使えることは同じではありません。



例えば、「お米には糖質が多い」という情報を知ったとします。



そこから、「だから食べない」と判断するのか。



それとも、「自分の身体や活動量では、どの程度必要なのだろう」と考えるのか。



この違いは、栄養学をどのように理解しているかによって生まれます。



食品を選ぶ力を身につける「栄養コンシェルジュ®」



栄養コンシェルジュ®では、食品カテゴリーマップ®による食品分類だけを学ぶわけではありません。



消化吸収、栄養素の働き、身体の仕組みや代謝などを体系的に学びながら、それらを実際の食品選択へつなげていきます。



「お米はカテゴリー1です」



それだけなら、覚えることは難しくありません。



しかし、



なぜカテゴリー1なのか。

食べた後、身体の中で何が起こるのか。

誰に、いつ、どのくらい必要なのか。

目的が変われば食品の選択はどう変わるのか。



ここまで考えられるようになって初めて、栄養学は実践で使える力になります。



栄養コンシェルジュ®は、管理栄養士や栄養士だけを対象とした資格ではありません。



パーソナルトレーナー、スポーツ・運動指導者、医療従事者、美容関係者、ピラティス・ヨガインストラクターなど、現在の専門性に栄養学を加えたい方にも学んでいただけます。



もちろん、自分自身や家族の食生活のために、栄養学を基礎から体系的に学びたい方も対象です。



「○○は身体に良いらしい」という情報を集める栄養学から、卒業しませんか。



食品の特徴を理解する。



身体の仕組みを理解する。



そして、自分や目の前の人の目的に合わせて食品を選択する。



栄養情報を「知っている」から、「選べる」へ。

そして、根拠を持って誰かに「伝えられる」へ。



今日のおにぎり一つから始まった興味を、一生使える栄養学へ。



栄養コンシェルジュ®で、実践できる栄養学を学んでみませんか。



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参考資料



農林水産省.米に関するマンスリーレポート(令和8年8月).2026.



農林水産省.米の相対取引価格・小売価格・販売数量等に関する公表資料.2026.



厚生労働省.日本人の食事摂取基準(2025年版).2024.



文部科学省.日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.2023.



株式会社ローソン.おにぎりの価格改定でお米の消費拡大―市場価格を鑑み、手巻おにぎり全品を10円値下げ.2026年8月24日.



公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構.米の消費動向調査.



FAQ(よくある質問と回答)|おにぎり・お米・主食・糖質の栄養学



Q1.おにぎりは主食として考えてよいですか?



はい。おにぎりのごはんは、デンプンを主成分とする代表的な主食です。食品カテゴリーマップ®では、お米・パン・麺類・いも類などとともに「カテゴリー1」に分類されます。具材によって栄養成分が変わるため、おにぎり全体ではごはんと具材を分けて考えることも大切です。



Q2.お米に含まれるデンプンと糖質は同じものですか?



デンプンは糖質の一種です。炭水化物は大きく糖質と食物繊維に分けて考えることができ、お米に多く含まれるデンプンは消化によって分解され、最終的に単糖として吸収されます。「炭水化物=すべてエネルギーになる」と考えないことがポイントです。



Q3.ダイエット中はお米などの主食を抜いた方がよいですか?



「ダイエット中だから主食を抜く」と一律に決める必要はありません。食事量や身体活動量、体格、食事全体、減量目標などによって必要な量は異なります。お米だけを「太る食品」と判断せず、自分の目的に合わせて摂取量や組み合わせを考えることが重要です。



Q4.運動やスポーツをする人におにぎりが活用されるのはなぜですか?



お米に多く含まれるデンプンは糖質であり、消化・吸収された糖はエネルギー源として利用されます。また、糖は筋肉や肝臓などにグリコーゲンとして貯蔵されます。そのため、おにぎりなどの主食は運動・スポーツ時の食事を考えるうえでも重要な選択肢になります。



Q5.コンビニのおにぎりだけで栄養バランスのよい食事になりますか?



おにぎりは主食を手軽に摂取できる食品ですが、おにぎりだけで食事全体に必要な栄養素を十分に補えるとは限りません。肉・魚・卵・大豆製品、野菜類などを組み合わせ、一つの食品ではなく食事全体で栄養を考えることが大切です。



Q6.食品カテゴリーマップ®とは何ですか?



食品カテゴリーマップ®は、一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会が開発・普及する、食品を栄養学的な特徴から7カテゴリーに整理したツールです。食品に「良い・悪い」と善悪をつけるのではなく、身体や目的に合わせて食品を選択する力を身につけることを目指します。



Q7.栄養コンシェルジュ®では「お米はカテゴリー1」と覚えるだけですか?



いいえ。カテゴリーを暗記することが目的ではありません。なぜそのカテゴリーなのかを、食品に含まれる成分や消化吸収、代謝、身体の仕組みと結びつけて理解します。そこから「誰に・何を・どのくらい提案するか」まで考え、知識を実践へつなげることを重視しています。



Q8.栄養コンシェルジュ®は他の栄養資格と何が違うのですか?



栄養素や健康食品の知識だけでなく、消化吸収や代謝など身体の仕組みから栄養を体系的に理解し、食品カテゴリーマップ®を活用して実際の食品選択へ落とし込むことを重視しています。「何が良いか」だけでなく「なぜ、誰に、どう選ぶのか」を考える栄養学を学びます。



Q9.管理栄養士やトレーナーなど、すでに専門資格を持っていても受講する意味はありますか?



栄養コンシェルジュ®は国家資格などを代替するものではありません。管理栄養士・栄養士には既存の知識を実践的な食品選択や説明につなげる学びとして、トレーナーや医療・運動・美容分野の専門職には、自身の専門性に栄養学を掛け合わせる学びとして活用できます。



Q10.AIで栄養情報を調べられる時代に、栄養コンシェルジュ®を学ぶ必要がありますか?



AIは「お米の糖質量」や「食品の栄養成分」を短時間で提示できます。しかし、その情報が正しいかを評価し、目の前の人に適用できるかを判断する力は別に必要です。 栄養コンシェルジュ®では、情報を集めるだけでなく、身体の仕組みを理解し、食品を選び、相手に説明・提案できる力を養います。



一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会



「栄養で人と未来を輝かせる」を理念に、科学的・医学的根拠に基づいた栄養知識の普及と、現場で活用できる実践的スキルを持つ人材の育成に取り組むヘルスケア教育機関です。 また、医療・運動・心理・生活科学など多分野の知見を統合し、本質的な健康支援を実現するための「栄養哲学」の研究にも取り組んでいます。 認定資格「栄養コンシェルジュ®」は、医療従事者やアスリートなど多分野の専門家が監修した信頼性の高い栄養学資格で、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムを提供しています。 さらに資格取得後も、最新の研究情報の共有や学習機会の提供を通じて継続的な学びを支援し、資格取得者の生涯学習と専門性向上をサポートしています。